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Sheet Music and Music Score

販売楽譜

[吹奏楽]残照に広がる藍

日景貴文 作曲

商品番号 : MEOR-013

  • [吹奏楽]残照に広がる藍 image1

N E W

16,000円(税込17,600円)

楽譜セットフルスコアのみ
参考演奏 / Trial listening



参考音源

ムジカ・エテルナ吹奏楽コレクション Vol.1 組曲「展覧会の絵」

楽曲情報 / About this music

作曲家名:日景 貴文 (Takafumi Hikage)

演奏時間:8分30秒

グレード:4(上級)

スタイル:オリジナルレパートリー

↓スコアサンプルはこちらから↓


楽曲紹介 / Music introduction

ムジカ・エテルナ合同会社委嘱作品。

日が沈んだあと、雲や山に照り映えて残った陽の光のことを残照というそうです。
私は残照が好きです。輝きを放つそれ自体がそこにはないにも関わらず、周りを照らし続けるその慎み深さと、穏やかな喪失感とともに光がしっとりと藍色に染まっていくその様子に、和の精神や趣を感じるからでしょうか。いずれにしても、そうした印象を音で表現したものが本作になります。
全体を通して様々な音楽の場面がありますが、練習番号Cで奏でられる主題を一貫して用いています。楽譜に書かれたことのみならず、場面に応じて「どういった感情か」、「どういった質感か」、「色で表すとしたら何色か」、「時間帯は朝か夜か」といったことも是非考えてみると良いでしょう。

ところで、大伯父の葬儀の帰り道にそれは素晴らしい残照を目にしました。葬儀の様子とも重なったその残照が本作の契機の一つとなったことと、タイトルの藍は「愛」との掛詞にしていることも述べておきたいと思います。(日景貴文)

Free Memo

斬新な書法と、流麗かつ力強い響きの作品が人気を呼んでいる日景貴文(1990−)は、第19回 21世紀の吹奏楽「響宴」での入選や、第4回全日本吹奏楽連盟作曲コンクール第2位受賞など、すでに多くのコンクール等で結果を残している若手作曲家の雄である。

夕刻、太陽が水平線の彼方へと沈んだにも関わらず、雲や山々が藍色に輝いている...このような現象を「残照」という。英語のafterglowの方が理解しやすいかもしれない。残照とはつまり、黄昏時の名残なのである。この神秘的な美しさの中に、わずかな寂しさが一滴落とされた風景(日景は大伯父の葬儀の帰り道に出会った残照が、本作の契機のひとつであると述べている)から得た印象を描いたのが、本作《残照に広がる藍》である。

静寂の向こう側から、木管楽器群の揺れ動く動機が現れる。その動機が少しずつ重ねられ、高められ、音楽のエネルギーは増加してゆく。瞬間、ムチの1発がそのエネルギーを開放し、Appassionatoの主題を導き出す。この主題は、作品の中に何度も現れ、展開されてゆく。主題の提示に続く、テンポの速い部分はCapriccioso。変拍子が織り交ぜられた複雑なリズムと、「気まぐれな」旋律が心地よい。音楽は少しずつ冒頭の静寂と還ってゆき、ついにAppassionatoで提示された主題がF-Durで高らかに奏でられる。作品全体の最後には、低音楽器に主題の反行形が置かれているのも興味深い。
本作について、日景はこうも述べている――タイトルの藍は「愛」との掛詞にしている、と。(石原勇太郎)


楽器編成 / Instrumentation

Piccolo
Flute 1
Flute 2
Oboe
Bassoon
Eb Clarinet
Bb Clarinet 1
Bb Clarinet 2
Bb Clarinet 3
Bass Clarinet
Eb Alto Saxophone 1
Eb Alto Saxophone 2
Bb Tenor Saxophone
Eb Baritone Saxophone

Bb Trumpet 1
Bb Trumpet 2
Bb Trumpet 3
F Horn 1 & 2
F Horn 3 & 4
Trombone 1
Trombone 2
Trombone 3
Euphonium
Tuba
String Bass

Piano
Timpani
Perc. 1:
 Whip
 Snare Drum
 4 Tom-toms
 Bongos
Perc. 2:
 Bass Drum
 Wind Chimes
 Suspended Cymbal
Perc. 3 :
 Tam-tam
 Tambourine
 Suspended Cymbal
 Crash Cymbals
Perc. 4 :
 Suspended Cymbal
 Glockenspiel
 Xylophone



日景 貴文(Takafumi Hikage)

1990年、埼玉県生まれ。西武学園文理高等学校、尚美学園大学音楽表現学科作曲コースを卒業。第4回全日本吹奏楽連盟作曲コンクール第2位、第5回日本管打・吹奏楽学会作曲賞佳作、大学3年時に大学学長賞を受賞。第19回「21世紀の吹奏楽“響宴”」入選。大学在学中は成績優秀者として在学特待生に3年連続で選出された(うち2度は首席)。またこれまでに、テレビ朝日金曜ナイトドラマ「天使と悪魔 - 未解決事件匿名交渉課」、「ハルチカ〜ハルタとチカは青春する〜」など、作編曲家、指揮者としてラジオ、テレビドラマ、アニメの音楽制作に関わる。作曲を川島素晴、愛澤伯友、坂田晃一、久木山直の各氏に、吹奏楽指導法を岡崎明義、合田香の各氏に師事。吹奏楽指導、指揮、楽譜浄書、各種コンクール審査員なども行う。公益社団法人日本吹奏楽指導者協会会員、大正大学吹奏楽団指揮者。