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Sheet Music and Music Score

販売楽譜

グリーン・ワールド[吹奏楽]

近藤礼隆 作曲

商品番号 : MEOR-010

  • グリーン・ワールド[吹奏楽] image1
参考演奏 / Trial listening


楽曲情報 / About this music

作曲家名:近藤 礼隆 (Noritaka Kondo)

演奏時間:4分00秒

グレード:3(中〜上級)

スタイル:オリジナルレパートリー
楽曲紹介 / Music introduction

この曲は、2011年に作曲し、2013年に作曲の会「Shining」第5回記念作品展にて初演された4分ほどの作品です(演奏:樫野哲也氏 / 大江戸シンフォニックウィンドオーケストラ)。シンプルな急緩急のスタイルで、「DBFG」のフレーズとB durのスケールによって作品全体が支配されるような構成を目指しています。
自宅から自転車を15分くらい走らせたところに、池・森・広場などのある広大な公園があります。幼少期からよく遊んだ公園で、二十歳を過ぎた今(2016年現在)でも、気分を落ち着けたいときはいつもこの公園を散策します。特に公園内の森を歩くことが好きで、この曲の核となる「DBFG」のフレーズも、森の中で思いついたものでした。緑色に囲まれたとき、なんとも言えない安心感があるのは私だけでしょうか・・・。以上のようなきっかけから、Green Worldというタイトルをつけています。
作曲当時中学3年生だった私はまだ作曲のいろはも分からず、それでも吹奏楽の作品を作りたい一心で、試行錯誤しながら楽譜を書いていたことを覚えています。今楽譜を見ると恥ずかしくなってしまう部分もありますが、中学生ならではの素直さを感じていただけることと思います。(近藤礼隆)

Free Memo

 音楽と自然、あるいは心象風景と言うのは、とても相性が良い。かつてL.v.ベートーヴェンは、日課にしていた散歩の中から聞こえてきた音にインスピレーションを受け、多くの作品にそれを落とし込んだ。G.マーラーは、宇宙をも含む自然の世界と、自身の幼少期の体験を交響曲の中で融合させた。R.シュトラウスは、アルプスの山々の美しくも厳しい表情を描き出し、A.シェーンベルクは、音そのものが持つ表現力でもって、人間の精神の奥深くを表出させることを試みた。
 話が少々壮大なものになってしまったが、音楽作品において外部からのインスピレーションが全くなく創造されたものは、ほとんどないと言えるだろう。若手作曲家、近藤礼隆の《Green World》も、彼自身の体験と、自然から受けたインスピレーションによって創り出された作品である。本作は、近藤が中学3年であった2011年に作曲された作品。近藤によれば、幼い頃から現在まで通っている、近所の自然豊かな公園の中にある森を散歩している際に、本作の核となる動機が舞い降りてきたという。
 曲は、穏やかな序奏から開始する。この序奏は、フルート、クラリネット・セクション、ホルンとユーフォニアムを中心とした中低音金管セクションと徐々に音域を下げながら、本作の動機となるD音、B音、F音、G音――これらの動機に含まれる音がB-Durとg-Mollのドミナントとトニックの関係性を作りだしているのも興味深い――を提示し、その後の展開の可能性を示唆する。音色が変わりゆくのは、森の木々が季節の移ろいに合わせて、その姿を変化させる様子を思い起こさせる。それと同時に、一貫して鳴り響くグロッケンシュピールが、姿を変えても、その存在自体は変化しないことを示唆する。
 わずか8小節の簡潔な序奏に続き、スネアドラムのロールが主部の開始を告げる。力強い前奏(この部分も、冒頭の動機の展開されたものと考えられる)に続いて、行進曲的な雰囲気を持つ、温かな主題を木管楽器群が奏でる。低音楽器の伴奏も躍動的で、雰囲気を盛り立てている。主題がトランペットによって確保されると、g-Mollの登場を感じさせるが、やはりB-Durが支配的。主部の前奏を再現し、中間部へと進む。
 中間部は、序奏部の性格を引き継いだもので、サクソフォンの四重奏に始まり、フルート、クラリネット・セクション、そしてホルンとトロンボーンを中心とした中低音セクションと徐々に音域を下げながら進む。その結果、《Green World》全体は、「序―主―中―主」という基本的な3部形式と「序―主―序―主」という2部形式が結合したものとしてとらえることが可能になる。2つの調の拮抗と3つの形式的区分の結合という、古典派以来のソナタ形式で起こっていた二元論と三元論の複雑な関係性が、《Green World》では、形式上にまとめて表れている。中間部の後は、最初の主部がさらに展開される(しかし、明らかに主部の雰囲気を引き継いでいる)。
 森は日々同じ姿を見せるようで、その細部は毎日違っている。人間も同じように、日々成長し、いつの間にか外見も内面も別の姿を見せるようになる。しかし、その核となるものは、実は変わらないのかもしれない。そんな誰もが考えるが、しかし口にするのは少々気恥ずかしいような思いが、《Green World》の中では、外連味のないB-Durと、輝かしい響きの中で語られてゆくように感じるだろう。(石原勇太郎)

楽器編成 / Instrumentation

Piccolo
1st Flute
2nd Flute
Oboe
Bassoon
Eb Clarinet
1st Bb Clarinet
2nd Bb Clarinet
3rd Bb Clarinet
Alto Clarinet
Bass Clarinet
1st Alto Saxophone
2nd Alto Saxophone
Tenor Saxophone
Baritone Saxophone
1st Trumpet
2nd Trumpet
3rd Trumpet
1st & 2nd Horns
3rd & 4th Horns
1st Trombone
2nd Trombone
3rd Trombone
Euphonium
Tuba
String Bass
Timpani
Snare Drum
Bass Drum
Crash Cymbals
Percussion
(Glockenspiel,Xylophone,Chime,Whip)
近藤 礼隆(Noritaka Kondo)

1995年埼玉県東松山市生まれ、千葉県柏市育ち。渋谷教育学園幕張高等学校を経て、現在は東京藝術大学音楽学部音楽環境創造科に在学中。
作曲の会「Shining」会員、2014年度より同会企画担当。高校在学時に、10人の高校生による作曲集団《Con brio!!》を結成、2公演を主催。東京藝術大学専攻外公演の会代表、2015年度より3公演を主催。
作曲を植野洋美、西岡龍彦の各氏に、音楽理論を山口博史氏に師事。
主な活動は、管楽器を用いた室内楽や吹奏楽によるもの。大学では、シアターピースの創作を中心に勉強中。アニメーション映像やオーディオドラマなどへの作品提供も行っている。

受賞歴
2013年 第11回弘前桜の園作曲コンクール高校部門第1位及び弘前市教育長賞:《無機質な夢 〜バスーンとピアノのための》
2013年 東京かつしか作曲コンクール2013 J部門第2位:《ピアノソナタ第1番「若葉のメッセージ」》
2012年 大江戸シンフォニックウィンドオーケストラ創立1周年記念演奏会作品公募入選:《バースデー・マーチ》