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Sheet Music and Music Score

販売楽譜

吹奏楽のための祝典序曲「ペンテコステ」[吹奏楽]

平野達也 作曲

商品番号 : MEOR-003

  • 吹奏楽のための祝典序曲「ペンテコステ」[吹奏楽] image1
参考演奏 / Trial listening


楽曲情報 / About this music

作曲家名:平野 達也 (Tatsuya Hirano)

演奏時間:5分30秒

グレード:4(中〜上級)

スタイル:オリジナルレパートリー

楽曲紹介 / Music introduction

「ペンテコステ」とは聖霊降臨と訳します。私はクリスチャンでもなく、傍らにあったエル・グレコ(1541-1614)の画集を開き、そこにあった「ペンテコステ」という画がとても神々しく、気に入ったので、そのまま使うことにしました。
作曲当時、講義でモーツァルトの「レクイエム」のキリエを取上げておりましたので、そのような影響はあるのかもしれません。
思い返すと私の中では随分前からモーツァルトとエル・グレコはつながり合っていたような気がします。それは確かな技術に支えられた創造という点においてです。
曲は祝典序曲ですので式典や祭典、お祝いの機会に演奏されることを念頭におき、華やかに堂々としたものを目指しました。また演奏会形式での「序曲」としても充分に使えると思います。
モーツァルトとエル・グレコの劇的且つ清澄なる作品群は、決して天賦の才能によるものではなく人間的努力のたまものだと思います。我々も音楽にはそのような態度で臨みたいものです。
そういう音楽や演奏はきっと神々しい輝きを放つに違いないのですから。(平野達也)



Free Memo

 絵画と音楽、そして宗教の関係性は、まだグレゴリオ聖歌が音楽の中心であった時代から存在している。作曲家や画家は、聖書の中で描かれる神秘的な物語の数々からインスピレーションを受け、絵画や作曲を行ったのである。
 そんな聖書の中の物語を、多数絵画にして目に見えるものとしてこの世に残した画家のひとりに、エル・グレコという人物がいる。このギリシャ人画家の半数以上の作品が、聖書の中の物語を描いたものであるそうだ。その中に『聖霊降臨』と題された絵画がある。ギリシャ語では「50」を示す「ペンテコステ」と呼ばれる「聖霊降臨」は、キリストの復活の50日後(キリストの昇天の10日後)に、キリストの弟子たちの頭上に聖霊が舞い降り、神の力が依然存在していることが示される重要な出来事。そんな出来事を描いた『聖霊降臨』からインスピレーションを受けて作曲されたのが、ジャズピアニストとしても活躍する作曲家、平野達也の《吹奏楽のための祝典序曲「ペンテコステ」》である。
 トランペットとトロンボーンの荘厳なファンファーレに続いて、低音のF音上でB-Durへと向かう力強いドミナントが形成される。その後、ティンパニの華麗な連打と低音金管楽器群によって、B-Durが明示される。主部では、大きく2つの主題が提示される。ひとつは、序奏のすぐ後で、アルト・サクソフォンとホルンによって提示される主題。2度音程の揺れが何度も繰り返される。下手をすれば音楽の流れが淀んでしまうほどの繰り返しであるが、平野はリズムに工夫を凝らすことで、2度音程の動機を印象付けると同時に、音楽的な推進力をも旋律の中に創り出している。この2度音程の動機が様々な声部に現れ、それらが絡み合いつつ進行する――この最初の主題の性格には、(平野自身はW.A.モーツァルトの《レクイエム》の〈キリエ〉との関係をほのめかしているが)D.ショスタコーヴィチの《祝典序曲》との関係も見出せるように思われる――。
 トランペットによって最初の主題が確保、展開されるとEs-Durへと転調し、穏やかな旋律がホルンによって奏される。これを2つ目の主題とすることもできるだろうが、最初の主題の動機が対旋律的に――それも非常に目立つ形で――配置されていることから、ここはまだ、最初の主題群として考えられるだろう。2つ目の主題は、低音楽器群によって奏される行進曲風の主題。これら2つの主題には、エル・グレコの絵画に特徴的な、強烈な色彩の対比と同じ雰囲気を感じるだろう。
 最初の主題を用いた推移的な部分を経て、静謐な、しかし胸の内から燃え上がる炎のような熱を持つ中間部へ進む。聖霊がキリストの弟子の下へ舞い降りると、その弟子たちは布教のための異国語を話せるようになるが、《ペンテコステ》の中間部における、C-DurからAs-Durへの転調はその物語を聴き手に想像させる。
 テンポを取り戻した後は、主に最初の主題を中心に、音楽が展開されてゆき、序奏の短い再現の後、B-Durの主和音が輝かしいクレッシェンドで鳴り渡る。エル・グレコの『聖霊降臨』を見つつ、本作《ペンテコステ》を聴いてみると、確かに、私たちの頭上を聖霊が飛び交い、私たちの身体は聖なる炎につつまれる。「祝典序曲」という機会音楽的な題名が付けられているものの、本作はいわゆる「標題音楽」として、演奏することも、聴くことも楽しむことができるだろう。(石原勇太郎)

楽器編成 / Instrumentation

[]内は楽譜セットに含まれる部数
Piccolo (opt.) [1]
Flute 1 [2]
Flute 2 [2]
Oboe 1&2 (opt.) [2]
Bassoon 1&2 (opt.) [2]
Eb Clarinet (opt.) [1]
Bb Clarinet 1 [3]
Bb Clarinet 2 [3]
Bb Clarinet 3 [3]
Bass Clarinet [1]
Alto Saxophone 1 [2]
Alto Saxophone 2 [2]
Tenor Saxophone [1]
Baritone Saxophone [1]
Horn 1 [1]
Horn 2 [1]
Horn 3 [1]
Horn 4 [1]
Trumpet 1 [2]
Trumpet 2 [2]
Trumpet 3 [2]
Trombone 1 [2]
Trombone 2 [2]
Trombone 3 [2]
Euphonium [2]
Tuba [2]
String Bass (opt.) [1]
Timpani / Tambourine [1]
Perc. 1: [2]
 SnareDrum
 SuspendedCymbal
Perc. 2: [2]
 BassDrum
 Triangle(doubling 3)
Perc. 3: [2]
 Triangle(doubling 2)
 Cymbals
Perc. 4: [2]
 Glockenspiel
 Xylophone

平野 達也(Tatsuya Hirano)

関西大学法学部卒、大阪音楽大学大学院作曲専攻修了。作曲を近藤圭氏に師事。
「第15回名古屋文化振興賞」受賞、第2回東京佼成ウインドオーケストラ作曲コンクール「審査委員会特別賞」、第10回トロンボーンアカデミー&フェスティバル「優秀作品」各受賞、「第3回東京国際室内楽コンクール」、「ピアノデュオ作品による第5回国際作曲コンクール」各入選等、受賞歴多数。
ジャズピアニストとしても2014年より活動再開、関西ライブハウスを中心に活動中。
作品はジャズから現代音楽、オーケストラから小アンサンブルまで作編曲を問わず幅広い分野にわたり演奏回数多数。親しみ易い学生のための楽曲にも力を注いでいる。出版譜、CD、委嘱作品多数。
代表作:吹奏楽のための「ノットゥルノ」、「青と赤銅色のオーバード」(ティーダ出版)、「ラプソディア・コンチェルタンテ」〜トロンボーンとピアノの為の(日本トロンボーン協会)、「鳥の庭」〜Ob.Cl.Bn.の為の(ウインドアート出版)、編曲作品「七つの子」オーケストラ版、「タクタキシヴィリのフルートソナタ」吹奏楽版、等がある